相続における区分所有の有無と小規模宅地特例の取扱い



相続税を安くするには、できる限りの特例措置を利用する事が節税対策になりますが、その中でも複雑な対象となっているのが、区分所有の登記があるか、ないかで異なります。相続における区分所有の有無と小規模宅地特例の取扱いについて紹介しましょう。

区分所有の対象とは

複数の人が、1つの財産である所有物を分割し、それぞれを独立した状態になっている部屋などを個々に所有する行為を言います。わかりやすいのは、アパートやマンションを、部屋ごとに所有者が異なる事を意味しています。 2世帯住宅の場合も、条件を満たす事で、区分所有の登記が可能になります。2世帯住宅の場合は、1階と2階での独立した生活になっている事が条件となり、それぞれが建物の内部で繋がっている場合には判断が異なります。

小規模宅地特例の居住用宅地の場合

相続開始直前において条件のどちらかに該当すれば、特例を受ける事が可能になります。その宅地等のうち240㎡か、平成27年以降に行った相続、または遺贈であれば330㎡の評価を出して、その約80%の金額を減額する事ができます。 【条件】 1.配偶者が取得した住宅 2.あるいは親族が取得した場合は、相続開始直前にその宅地に対して、被相続人と同居していた人であり、かつ相続税の申告期限を経過するまでに、そこに住み続けた人であるとします。亡くなる人の前も後も住み続けていた親族が対象です。

同居親族と2世帯住宅をパターンで分類

それぞれのパターンで条件にあてはめて、区分所有の状態と小規模宅地の可能性が異なる事に注目します。 【1.非分離型の 区分所有登記でない建物】 建物の内部で往来が可能な状態の場合は、普通の同居世帯とみなされます。建物を1つとして小規模宅地の特例の適用が可能になります。 【2.完全分離型だが区分所有登記でない建物】 別々の生活がなされていても、区分所有登記でない場合も、1つの建物とみなし、同一の所有者になるので、小規模宅地の特例が適用できます。 【3.完全分離型であり区分所有登記がある場合】 この場合は、実生活も所有者も別々になります。この場合は、同居の条件を満たしていない為、特例措置を受ける事ができません。 【4.非分離型の場合で区分所有登記】 建物内で往来が可能な場合は判断が複雑で、所有権が分かれている場合は、原則は特例の対象外になりますが、一定の場合には適用できる可能性があります。例外として被相続人が、両方での生活が認められる構造に対しては、対象になる事があります。 【5.完全分離型でも未登記の場合】 未登記の場合は、個々の生活であっても、1つの建物として該当するので、2番と同じ意味として解釈できるので、特例が可能になります。

兄弟と親の同居での相続の対応

例として、1階で弟が商売をしており2階には長男と親が同居している場合の対応は以下の通りとなります。 【1.区分所有していない場合】 相続が起きた場合は、兄弟で半分ずつの特例が受けられます。 【2.区分所有登記がある場合】 別々の生計とみなされて、親と生活を共にしている長男だけが対象になるので違いを見極めましょう。

まとめ

区分所有の意味を理解して、その上で「小規模宅地特例」の条件を満たす事が重要です。2世帯住宅の場合は、特に複雑なので「同居している状態」が認められる事が肝心ですので、じっくりと内容を理解したいものです。複雑な場合は、司法書士や弁護士に確認してもらいましょう。 不動産の売却、購入に関してお悩みの際には【株式会社日本不動産】までご一報ください。